◆◆◆ SDGsの潮流 ◆◆◆ 2023.01.30
●三菱商事、次世代エネルギー部門新設●
三菱商事は「次世代エネルギー部門」を新設。再エネ由来の電力でつくる「グリーン水素」やCO2を回収・貯留するCCS技術などの事業化を担う。複数のグループに分散していた人員や案件を集約する。
●社会問題解決のインパクト投資、国内3兆円超●
社会課題や環境問題解決を目指す企業に資金を投じる「インパクト投資」が拡大。国内金融機関による投資残高は2022年9月時点で3兆8500億円になった。投資が実際にどのくらい課題解決に貢献したかまで把握するインパクト投資が重要視されてきた。
●電力削減を評価、武蔵野銀が融資●
武蔵野銀行は遊技場などの遊楽(さいたま市)に、SDGsに取り組む企業を金利優遇して支援する融資を実施した。遊楽が電力使用量削減などSDGsに取り組むことを評価して金利を設定する。
●松山市、地元木材の利用促進で協定●
松山市は地元金融機関3社と地元産の木材の利用を促す協定を結んだ。市内で情報網を持つ地元金融機関と組んで地域資源の有効活用を進める。伊予銀は2029年完成予定の新本社ビルで愛媛県産木材の活用、愛媛銀は支店の窓口で使うプラスチック製の現金受け渡しトレイを順次、県産木材製に切り替える。
●滋賀県、小規模CO2削減まとめ排出枠●
滋賀県は中小企業や家庭の小規模なCO2削減量をとりまとめて排出枠を創出、大企業などに販売する。2023年度は800トン(140万円)が目標。事業所にLED照明、家庭に太陽光発電を促し、財源に充てる。
●愛知・一宮市や東邦ガス、地域新電力設立●
一宮市や東邦ガスなどが共同で地域新電力会社「いちのみや未来エネルギー」を設立した。主に市内のごみ処理施設で発電して余った電力を供給する。病院や小中学校など公共施設80カ所に供給する。
●青森、トラックから鉄道に脱炭素輸送●
本州北端の青森県で、輸送手段をトラックから環境負荷の小さい鉄道に代えるモーダルシフトが進み始めた。運転手が不足する「2024年問題」対応策。
●徳島に環境配慮の木造4階建ての県営住宅●
徳島県は木造4階建ての県営住宅を建設。県産を含む国産木材を使い、耐火機能も高めた中層住宅として、県が進めるSDGs事業の象徴の一つにする。
●神奈川県、日産とEV活用で協定●
神奈川県はEVの活用で日産自動車などと連携協定を締結した。脱炭素社会の実現と災害対策強化に向け、EVの活用促進を目指す。県のイベント時などに日産のEVをPR、EVの普及に取り組む。
●東京港の脱炭素化へ水素活用都が計画案●
東京都の東京港脱炭素化案によると、水素や燃料アンモニアなどの次世代燃料の供給体制を構築、港湾設備や船舶などに必要なエネルギーを化石燃料から次世代燃料へ置き換える。次世代燃料を活用した自立型の発電設備を配備し電力逼迫にも備える。
●ANAとJAL、米新興・伊藤忠商事とSAFで合意●
ANAとJALは環境負荷の少ない航空燃料「SAF」の調達で、米SAF製造のレイヴェン、伊藤忠商事と合意した。レイヴェンが2025年にも商用生産するSAFをそれぞれで調達し、国際線で搭載する。
●旭化成、樹脂など2万点のCO2開示●
旭化成は製品ごとにCO2排出量を割り出せる体制を整え、従来は1万点程度の排出量開示を樹脂など2万点を超える製品に拡大。自前システムで、他社提供も検討。顧客の車大手などが開示を求めている。
●旭化成、植物由来エタノールで化学品●
旭化成は2027年にも植物由来のバイオエタノールから化学品をつくる技術の実用化を目指す。今はほとんどが石油からつくっている車の部材やレジ袋など樹脂の基礎原料をつくる。
●JR西日本、全ディーゼル車にバイオ燃料●
JR西日本は2030年ごろ、ディーゼル車両すべてでバイオ燃料を導入する。同社の在来線の4割近くを占める非電化区間のCO2排出を減らす。JR東日本は水素燃料車の実用化を目指し、脱炭素が進む。
●IHIとGE、次世代燃料アンモニアで提携●
IHIと米ゼネラル・エレクトリックはアンモニアで発電するガスタービン開発で提携。IHIのアンモニア燃料技術とタービン世界大手GEの技術を持ち寄り、脱CO2のアンモニア火力発電技術を開発する。
●JERA、米から燃料アンモニア輸入へ●
東京電力と中部電力共同出資のJERAはノルウェー肥料大手の子会社と米肥料用アンモニア製造大手の2社と燃料アンモニアの調達に向けた協議に入った。2027年度から40年代まで、合計で年間最大50万トン程度を米国から輸入する。
●ヤマダHD、ごみ処理企業を買収●
ヤマダHDは産業廃棄物の処理を手掛けるあいづダストセンター(福島県)を買収する。使用済み家電のリユース・リサイクル事業を強化する。
●ユニクロやZARA、服補修サービスで廃棄削減●
ユニクロは一部店舗で始める服の補修サービスを国内で本格展開の方針。ZARAも英国でサービスを始めた。環境を意識した消費行動が広がる中、補修サービスは市場拡大が見込まれる。
●サーモン、北大、函館市と完全養殖へ●
サケ王国北海道を再興しようと、道南地区を中心に新たな名産品としてサケ養殖する動きが活発化。北海道大学は函館市と連携、国内初のキングサーモン完全養殖技術の確立に着手した。
●魚養殖と水耕栽培でコスト低減、石崎鉄工所●
金属加工の石崎鉄工所(新潟市)は、魚の養殖と水耕栽培を組み合わせた農法「アクアポニックス」で、人件費や電気代を抑えたシステムを開発した。再エネやセンサーの活用でコストを低減した。
●畑の上にパネル、農業と発電、太陽光シェア●
農地に太陽光パネルを設置、農作物を栽培しながら発電や売電に利用するソーラーシェアリングが千葉県など首都圏で広がる。電気や肥料代が高騰するなか、コスト削減や売電収入増につなげる。
●伊藤忠・エネオスなどCO2貯留へ●
伊藤忠商事や出光興産、ENEOSなど3つの企業連合がCO2を回収して地下貯留する技術(CCS)の事業化に向けた調査検討に入る。経済産業省は法整備や補助金で支援する。
●水素を取扱う新材料、東大、貴金属触媒不要に●
東京大学の砂田祐輔教授らは常温程度の温和な条件で、貴金属触媒を使わずに水素の発生、貯蔵の技術を開発した。ゲルマニウムの化合物と鉄系触媒を使い、従来の手法に比べて低温で動作。安全かつ省エネルギーで動作する。
●ブラザー工業、倉庫で太陽光発電本社も使用●
ブラザー工業は名古屋市内の物流倉庫の屋根に太陽光発電装置を設け、電力を同市の本社ビルなどで使用。年間発電量は約60万キロワット時を見込み、年間約230トンのCO2削減につながる。
●富士物流、倉庫屋根に太陽光発電、四日市で●
三菱倉庫子会社の富士物流は、保有する物流倉庫の屋根に太陽光発電システムを導入した。電力事業者が太陽光パネルを無償で設置し、使用した電力量に応じて料金を払う「PPAモデル」を活用した。
●KDDI、太陽光発電の新会社、基地局などに供給●
KDDIは太陽光発電の新会社「auリニューアブルエナジー企画」を設立した。建物の屋上などに太陽光発電の設備を設け、KDDIの基地局や通信局舎、データセンターなどに電力を供給する。
●電力と水を自給、オフグリッド住宅芽吹く●
生活に必要な電力を自給できる「オフグリッド住宅」が日本に現れてきた。スタートアップなどが送電網や下水道を使わずに自然エネルギーのみで循環する住宅を提供する。
●中部電力の水力発電所、企業6社が改修費用●
中部電力の水力発電所の改修で米半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズなど企業6社が費用を負担し優先的に電力を使用する。大井川水力発電所1号機の水車の部品更新で数億円の改修費を調達する。
●地熱発電量20年で3割減、熱水減少や老朽化●
地熱発電量が減っている。東北電力は岩手県の発電所を廃止、福島県の発電所や九州電力の大分県の発電所でも発電量が落ち込む。地下熱水や蒸気の減少、設備の老朽化で出力が下がり、国内の地熱発電量は20年間で3割減った。