◆◆◆ SDGsの潮流 ◆◆◆ 2023.5.15
●GX推進法成立、脱炭素投資へ「移行債」発行●
脱炭素社会の実現に向けた新法GX推進法が衆院本会議で可決、成立した。10年間で20兆円規模となる新しい国債「GX経済移行債」を発行できる。民間資金と合わせて150兆円超の脱炭素投資を進める。
●指定都市市長会、国に脱炭素提言へ●
全国20の政令指定都市でつくる指定都市市長会が、脱炭素の実現に向けた環境省への提言をまとめた。再エネ由来の「グリーン水素」の供給網構築に向けた支援拡充や水素を使う事業者などに対するインセンティブ制度の導入などを求める。
●曲がる次世代太陽電池、25年事業化へ●
次世代の「ペロブスカイト型」太陽電池が注目を集める。薄いフィルム状で折り曲げられるため、場所を問わず自由に設置しやすく、国内で供給網を構築しやすい利点もある。政府は国内企業を支援、2030年までに普及させる方針。35年には1兆円市場に育つとの試算も。
●住宅建材に粗大ゴミ、品川区、年1040トン再生●
東京都品川区は木製の粗大ゴミを住宅用建材にリサイクルする取り組みを始めた。床材や壁材に使われる板状の建材に活用。焼却時に発生するCO2排出量の削減などにつなげる。
●蓄電池普及期へ、5年で10倍●
2023年に蓄電池が世界で新たに追加される容量は前年比87%増の30ギガワットと、5年で約10倍に増える。リチウムイオン電池の価格が5年で6割も安くなり、各国政府による多額の補助金も下支えする。再エネ拡大に不可欠な蓄電池が普及期に入った。
●CO2排出の企業負担、日本は欧州の7分の1●
CO2の排出量に応じて企業に負担を求める対策で、日本の負担の軽さが際立っている。1トンあたり約1万5000円の欧州に比べ、日本は2千円程度。企業の脱炭素の取り組みが鈍りかねない。
●モロッコ産業通商相、再エネ「2030年5割」●
モロッコのリヤド・メズール産業通商相は2030年までに国内の発電能力に占める再エネ割合を52%(22年は38%)に引き上げる計画を明らかにした。同国には欧州向け拠点として日本の自動車部品メーカーなどが進出している。
●三菱商事、脱炭素ファンド、新興に10億ドル●
三菱商事は三菱UFJ銀行などと共同で、国内最大規模の脱炭素ファンドを立ち上げる。浮体式洋上風力発電や再生航空燃料などのスタートアップ企業に計10億ドル(約1350億円)を投資する。出資先は関連技術で先行する欧米勢が中心になる。
●イオン、食品のCO2削減、ラベルで見える化●
イオンは食品のCO2排出量の削減度合いを示すラベル貼付を始める。6月以降、野菜など最大23品目にラベルを付けて販売する。「脱炭素ラベル」は欧州企業が先行している。
●高崎信金、CO2削減で中小向け金利優遇●
高崎信用金庫は中小企業向けに企業活動によるCO2排出量の削減率に応じて貸出金利を引き下げる融資商品の取り扱いを始めた。一定の削減率を達成することで、金利を最大0.2%引き下げる。
●北洋銀、SDGs私募債で生物多様性保全に寄付●
北洋銀行は、北海道の生物多様性保全を支援する私募債の第1号案件として、水産加工の井原水産から1億円を引き受ける。発行額の0.2%を北洋銀が北海道環境財団へ寄付する。財団は道内の動物園や水族館と連携した生物多様性の啓蒙活動を行う。
●中国銀行、ベネッセHDに100億円SDGs融資●
中国銀行は企業の活動が環境・社会・経済に与える影響を評価して融資する「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」(PIF)の第1号案件として、ベネッセHDに100億円を融資した。ベネッセはCO2排出量削減や男性の育休取得率向上、教育事業で広い学びの機会を提供する。
●いすゞ、30年度までにEVや自動運転に1兆円●
いすゞ自動車はEVの導入や自動運転技術の実用化に向け、2030年度までに総額1兆円を投じる。人手不足に伴う物流分野のDXや事業創出のための投資も増やし、経営資源のシフトを急ぐ。
●米NY州、新築でガス使用禁止、オール電化に●
米ニューヨーク州は新築の建物でガスの使用禁止に踏み切る。2026年から段階的にガス栓の設置を禁じ、「オール電化」にすることを義務づける。