●静岡県、県営林由来のクレジット販売●
静岡県は下田市内の県営林のCO2吸収量を国認証 の「J―クレジット」にして売り出した。収益は森林 整備に利用する。販売価格はCO2で1トン当たり1万 6500円。
●三菱ガス化、欧米2社とメタノール生成水素供給●
三菱ガス化学はメタノールから生成する水素につい て欧米2社と提携した。メタノールから効率的水素製 造の技術を持つ企業で、扱いづらい水素を運ぶため の「水素キャリア」としての需要を増やす。
●再エネでトマト育成、CO2も活用、北電と協業●
農業法人の寅福(北海道上ノ国町)は北海道電力 と組んでトマトなどの植物工場展開を目指す。熱源と して間伐材を使った木質バイオマスチップを使うほ か、燃焼で生じた二酸化炭素(CO2)でトマトの光 合成を促す。
●国産材中心でバイオマス発電、住友商事系●
住友商事グループが運転する酒田バイオマス発電所 (山形県酒田市)は燃料の半分を国産の木質チップ でまかなう。安定供給や燃焼効率の低さなど国産材 燃料の課題を克服しつつ、輸入材の割合を減らし続 けている。
●脱炭素船に直流配電盤10億円投資、BEMAC●
船舶用機器製造のBEMAC(愛媛県)は、温暖化ガ スの排出量を実質ゼロにする「ゼロエミッション 船」向けの配電盤の生産体制を強化する。4月にも生 産・検査設備の増強に本格的に着手し、28年度にも 「直流配電盤」と呼ばれるタイプの生産を始める。
●リゾート全電力は地熱由来、岩手・八幡平●
岩手県八幡平市はマグマによって温められた地熱を 貯蔵する層が地下には豊富で国内に3カ所ある「地熱 モデル地区」の一つ。再エネを生かす国の政策で眠っ ていた地下資源の活用に動き始めた。
●水研究の世界拠点めざす、信州大アクア機構●
信州大学アクア・リジェネレーション機構は水や 水由来の水素エネルギーなどの研究に専門化して立ち 上げられた。目標は水の循環利用や光触媒を使った グリーン水素生成の研究で世界をリードする。
●中部電力系とスズキなど、余剰再エネ域内融通●
中部電力ミライズはスズキやヤマハ、ヤマハ発動 機、浜松ホトニクスなど静岡県西部に本拠を置く15 社と太陽光発電で生じた余剰電力の融通を始める。 ミライズが参画企業の拠点に太陽光設備を整え、 余った電力については系統を通じ供給する。
●食べられない植物でSAF生成、Jオイル●
J-オイルミルズは食用でない植物から100%バイ オマス由来で国際的な品質規格を満たす再生航空燃 料の生成に成功した。食用の大豆や菜種を使わずに 生成できる。胚珠の中に油分を30~50%含む「テリ ハボク」「ポンガミア」の種子を使った。沖縄県な どに分布し、街路樹や防風林として植えられている。
●EVや航空機軽く、高機能導電繊維実用化●
産業技術総合研究所の研究者が設立した日本導電 繊維(つくば市)などは、強度や耐熱性などに優れ た化学繊維「スーパー繊維」に導電性を持たせた新 素材の実用化に乗り出す。航空機やEVの誤作動を防 ぐ電磁波シールドの軽量化などへの活用を見込む。
●米大統領令受け、DEIの採用目標廃止、Google●
米グーグルは「米連邦政府の仕事を請け負う立場で は大統領令に従った変更も考慮する」としてDEI(多 様性、公平性、包摂性)の実現に向けた施策を縮小 する。
●潮流発電の実証を商用規模に、九電系全国初●
再エネ事業の九電みらいエナジー(福岡市)は長 崎県五島市沖で潮流発電の商用レベルの実証運転を 始める。出力は従来の2.2倍の1100キロワット。五島 列島の久賀島と奈留島の間にある「奈留瀬戸」と呼 ばれる海域で、水深40メートルの位置に設置。一般 家庭800世帯分の発電量を見込む。
●リサイクルしやすい高分子素材、産総研など●
産業技術総合研究所と旭化成は、材料のリサイク ルをしやすくする高分子素材「サステナブルポリ マー」を共同開発する。旭化成のポリマー技術と産 総研の材料研究の知見を融合し、循環型社会や脱炭 素社会の実現を目指す。
●レアメタル不要の岩石蓄電池、東芝や中部電力●
東芝エネルギーシステムズや中部電力などは、天 然の岩石に熱エネルギーを蓄えて必要時に取り出す 「岩石蓄熱」技術の商用化を目指す。熱しやすく冷め にくい岩石を「自然の蓄電池」として使う。
●洋上風力、三菱商事が522億円損失計上●
三菱商事は国内3海域の洋上風力プロジェクトで 522億円の損失を計上した。調達や建設コストの上昇 が直撃した。国は支援制度の見直しに動いている。
●グリーン水素生産、欧米計画30年に実現1割強●
再エネを使って生産する欧米のグリーン水素プロ ジェクトで撤退や遅延が相次いでいる。2030年まで に世界で計560ギガワットの計画だが、実現は約14% の見通し。資材高や人件費の上昇で水素価格が高騰 し、需要家の利用の伸びが期待できない。
Comments