◆◆◆ SDGsの潮流 ◆◆◆ 2022.4.19
- Sachie Hisano
- 2022年4月19日
- 読了時間: 7分
更新日:2022年6月3日
●日産、次世代型「全固体電池」の試作●
日産自動車は次世代型の全固体電池の試作設備をオンライン公開した。航続距離が大幅に伸びる同電池の需要を見込む。2028 年度の量産化が目標。
●フッ素やカリウム、リチウム越え電池の主役に●
リチウムイオン電池に電気をためる容量や価格の面、資源調達などで限界がみえてきたが、代替電池の開発も活発で、フッ素3 個を鉄と組み合わせフッ化物イオン電池、カリウムのイオンで動く電池、カルシウムイオン電池などが浮上している。
●空飛ぶクルマの動力源、空気電池に実現見込み●
空気から電気を作る究極の蓄電池「空気電池」実現の見込みが出てきた。電極不要で重さは既存のリチウムイオン電池の5 分の1。軽さと容量を兼ね備えた蓄電池は、空飛ぶクルマに必須の動力源の一つで韓国や中国勢を交えて開発競争が過熱している。
●国連パネル、大気中のCO2 除去は「不可避」●
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新報告書は、地球温暖化を抑制のため大気中からのCO2 除去が「不可避的に」必要だと明記された。CO2 除去の各種技術の課題克服の後押しとなる。
●三井物産、空気中のCO2 回収事業化調査●
三井物産は空気中のCO2 を直接回収する「ダイレクト・エアー・キャプチャー(DAC)」技術の事業化に乗り出す。英スタートアップ企業とDAC 技術の共同調査などで包括提携を結んだ。
●ソニーと北大、海でのCO2 吸収向上へ研究拠点●
ソニーグループと北海道大学は農業・森林・海洋分野で共同研究する機関を設立した。同社のセンサー技術、北大の牧場や研究施設を活用。生態系に配慮した次世代型の農林水産業に向けて研究する。
●海の炭素吸収、藻育成やクレジット購入●
海の藻などがCO2 を吸収するブルーカーボンに着目する企業が増加。ブルーカーボンはCO2 吸収量が森林に匹敵するとの試算もある。J パワーは事業所近海で藻を育成しクレジット(排出枠)を創出。商船三井などは藻由来のクレジットを購入している。
●九電など、海洋エネ開発、実用化へコスト低減●
九州電力系は2022 年度中に潮流発電の大型実証を始め、コスト低減を進める。波や潮の満ち引き、海流を利用して発電する「海洋エネルギー」開発は潮流のほか、波力、潮汐利用もある。太陽光や風力と比べて発電量が安定しているが、石油火力などより安く発電できる技術が重要である。
●東京ガス、合成メタンを製造、25 年にも供給●
東京ガスは水素とCO2 を混ぜて合成メタンを製造する「メタネーション」技術を開発、横浜市と連携して実験を始めた。富士フイルムにも2025 年ごろにも合成メタンを供給。企業の脱炭素化を支援する。
●再生エネ由来「グリーン水素」を輸入●
東京大学がENEOS や住友商事、住友電気工業、千代田化工建設と始めたグリーン水素を作る「再生可能燃料のグローバルネットワーク」はオーストラリアでの製造と輸入を見据えた事業化調査を始める。
●Apple 取引先213 社が再エネ移行約束●
米アップルによると、同社に部品や素材などを供給する取引先に生産に使う電力をすべて再エネにする約束を結び始めたが、過去1 年で2 倍近く増え213社になった。2030 年までのカーボンニュートラル達成に進んでいる。
●CO2 地下貯留、海外で資金流入止まらず●
世界各地でCO2 を回収・貯留するCCS のプロジェクトが始まっている。開発途上の技術で失敗も起きるものの、投資リスクマネーの流入は増大。CO2 が新たな資源としてエネルギー産業を変える。
●CO2 地下貯留の法整備、国内で遅れ●
火力発電所から出るCO2 を地下に貯留するCCS について国内で法整備や貯留場所の確保などを要求する声が強まっている。政官も主体的に動かなければ
日本が世界から取り残されかねない。
●CO2 地下貯留「CCS」、GX の懸け橋●
火力発電所から大気中に排出されるCO2 を回収して地下に貯留するCCS の開発計画が増加、投資も拡大。環境重視の社会に移行するグリーントランスフォーメーション(GX)の切り札に浮上している。
●日立造船や大ガス、排ガス・下水からエコ燃料●
水素やCO2 などを反応させ都市ガスをつくるメタネーションについて、日立造船は排ガスを使い、大阪ガスは下水を使う技術を実用化する。技術革新により天然ガス並みのコストに下げる。水素に比べ既存設備を転用できる利点もある。
●メタなど5 社、脱炭素技術に1000 億円共同支援●
米メタや米アルファベットなど5 社は共同で新しい脱炭素技術を開発する企業の支援に取り組む。CO2削減量の将来見込みを取引できる市場も立ち上げる。2030 年までに9 億2500 万ドルを投じて自ら削減量を購入、自社の脱炭素に生かし、世界で進む脱炭素技術の開発を加速させる。CO2 を回収し永久貯蔵、自然の力を利用して岩石に変えCO2 除去技術を想定。
●太陽光発電、初期費用なしPPA が設置促す●
施設の屋根に太陽光パネルを無償で設置し、使用電力に応じて電気料金を請求する「PPA(電力購入契約)」が進行している。建物の所有者は初期費用をかけずに再エネを導入できる。一般住宅でも増加。
●川重・エアバス、水素航空機の離陸へ一歩●
川崎重工業と欧州エアバスが水素を燃料とする水素航空機の実用化に乗り出す。水素の調達やインフラの整備などで連携。2035 年までにエアバスがめざす水素航空機の商用化を後押しする。
●三井物産、洋上水素生産●
三井物産は仏水素製造会社とCO2 を出さずにつくる「グリーン水素」の共同生産。水素の生産設備を洋上風力の根元に設置、送電しなくてもいい。2022年度中にフランス西部に実証プラントを設置する。
●トヨタ系、太陽熱給湯、エンジン技術転用●
トヨタ系部品メーカーのマルヤス工業は太陽熱を使う給湯システム事業に参入。一般的な住宅向けに2022 年にも設備を販売。設置費用を約25 万円と競合より抑え顧客を開拓する。
●INPEX、核融合発電新興企業に出資へ●
INPEX は原子力発電より安全性が高いとされる核融合発電に参入する。原子核同士を合体させてエネルギーを生み出す技術で、2022 年内にも国内外の新興数社と資本提携する。
●道路からEV 充電、コスト3 割減●
関西電力やトヨタ自動車などはEV の充電コストを3 割減らす技術を開発する。道路に専用給電装置を埋め込み、車体の底に受電機器。交差点などのわずかな停止時間を利用してEV に電気を送る仕組み。
●住商など9 社、福島に国内最大級の陸上風力●
住友商事は福島県阿武隈地域で風力発電所4 カ所の建設を始めた。同社を含む9 社の共同事業。総発電容量は約14 万7000 キロワットと陸上風力発電所では国内最大級。阿武隈地域の稜線上に、46 基の風車を設置。年間の想定発電量は約12 万世帯分。
●レジャーもゼロカーボンで、新潟・妙高市登録●
国立公園の脱炭素化を進める「ゼロカーボンパーク」の全国4 番目として妙高戸隠連山国立公園をもつ新潟県妙高市が登録された。ウオーターサーバーを公共施設に設置してマイボトル運動の推進、宿泊施設でのプラスチック削減、公共交通でのデマンド化などで排出量を削減。持続可能な観光地をめざす。
●参加費払ってごみ拾い 1 人500 円観光ツアー●
海岸のごみを拾うのに1 人500 円を支払って参加する地元の住民や観光客らを相手に岡山県でこんなツアーが進められている。環境の改善、地域交流の創生、地域経済の活性化という一石三鳥の効果が期待される。沖縄のベンチャーが始め、その後、東京や大阪、⾧崎など各地で広がりを見せる。
●⾧野県とデリシア、エシカル消費推進で連携●
食品スーパーのデリシア(⾧野県)と⾧野県は環境や社会などに配慮した商品を優先的に購入する「エシカル消費」推進の連携協定を締結。県民の理解を深めるための取り組みなどを共同で実施する。
●ペットボトルは地上油田、回収路多様化●
プラスチック資源循環促進法施行を機に再生プラスチックの原料になる使用済みペットボトルが「地上油田」として注目され、その回収ルート開拓の試みが活発になっている。
●ほくほくFG、SDGs の達成度で金利優遇●
ほくほくフィナンシャルHD(北陸銀行と北海道銀行を傘下に持つ)はSDGs 達成度で金利を優遇する。11 の目標を作成。融資を受ける際はその中から3 つを選び、2 つ以上を達成すると金利を0.1%下げる。
●ESG 債、金利低い外貨建て急増 昨年1.5 兆円●
ESG 債を通常の社債より低金利で発行できるため、国内企業がドルなど外貨建てで発行する動きが広がっている。2021 年の発行額は121 億ドル(約1 兆5000 億円)と円建て債の2 兆円に迫った。
●環境対応の株主提案、メガバンクに3 年連続●
三井住友フィナンシャルグループに対し、国内外の環境団体が脱炭素関連の株主提案をした。銀行の気候変動対応に投資家が圧力を強めている。

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